【51想】 わかったつもり / 西林克彦

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

面白い。

「矛盾」や「疑問」は次の「よりよくわかる」ための契機となるものです。「矛盾」や「疑問」はネガティブに捉えられることも少なくないのですが、むしろ次の解決すべき問題を発見できたという意味で、「認識の進展」という観点からはポジティブな存在なのです。

わからないことを増やす読書。

解釈が妥当であるかどうかを「正しさ」に求めるのではなくて、周辺の記述や他の部分の記述との「整合性」だけに求めたい、というのが私の考えです。

整合的である限りにおいて、複数の想像・仮定、すなわち「解釈」を認めることになります。間違っていない限り、また間違いが露わになるまで、その解釈は保持されてよいのです。