言葉に出来ない何か

面白い記事を見つけた。
『インランド・エンパイア』デヴィッド・リンチ 単独インタビュー - シネマトゥデイ

映画は説明を受け付けないものだ。
主役は映画であり、言葉ではない

もうこの一言に尽きるだろう。

Q:しかし、観客は理解したがったり、言葉にしたがったりしますよね。それについてはどう思いますか?

観客は観たものだけを信用しないで、なぜか内容を理解したがるものなんだ。僕たちはより多くを理解する可能性を持っている。言葉にするのが難しいのかもしれないけど、人間は自分で思っているよりも多くのことを理解していて、言葉にできなくても内面では理解しているはずなんだ。僕は、自分のやりたいようにやるだけだ。観客のために自分の作品をいじくり回すようなことをしたら、作品は台無しになる。とにかく自分のアイデアに忠実に映画を作るだけだね。

中学生の頃の音楽の授業を思い出す。確かベートーベンだったろうか、モーツァルトだったろうか。とあるクラシックを聞いた感想を書きなさい、という課題が出た。


そして俺はこう書いた。


「言葉に出来ない何かがある」


今考えると少し臭い気もするが当時の自分は素直にその時の気持ちを書いたつもりだ。しかし、先生や周りの友人たちはその答えに笑っていた。そしてその時心の中で思った。


「言葉に出来ないから音楽なんじゃないか」


その時からもう十数年経つがその時に思った気持ちが最近本を読むことでやっと明らかになってきた


言葉に出来ないその“何か”


その大切な“何か”を現代人は忘れてきてしまっている、といろいろな本で書かれていた。まさに自分もそうであると思う。言語や思考を超えたその“何か”を僕たちは見つめるべきなのではないか、そう感じざるを得ない。