【9想】 自分を知るための哲学入門 / 竹田青嗣

自分を知るための哲学入門 (ちくま学芸文庫)
哲学、思想の世界は、
ガキの頃から興味があるのだが、
いかんせん難しい。


何度もこの手の哲学書の入門などを
読んだ気がするが、また改めて
この時期に手に取ってみる。


今までは基本的にフォトリーで読んでいたが
普通に読んでみることにする。


昨年はほとんどフォトリーで読んでいたのだが
どうも自分の読み方が悪いのか、頭に残らない
気がする。


最近はしばらく並行した読み方をして
自分の実感を確かめよう。


で、この本を読んで、
なんとなく現代思想とか哲学とかが
なんなのかということがわかったような気がする。

「それを知らないうちは表現できなかった自分の中のなにか」を互いに表現し合い、そのことで新しい質の関係を他人と結ぶことができた、ということは疑えないのだ。

言葉や考え方、思想を知ることで
表現できる範囲が広がる。
これはとても納得できるような気がする。

哲学とは、自分を知り自分をよく生かすためのひとつの独自の技術(アート)だ。
(中略)
知識としての哲学ほど馬鹿げたものはない。
(中略)
わたしたちは哲学を「学ぶ」ことに意味があると思ってしまう。そうではなくて、さまざまな哲学者の哲学を学ぶことを通して「哲学すること」を学ぶときに、哲学は本来的な意味を生かすのである。
(中略)
思想とは本来、なにか隠された奥深く高尚な真理を告げるものではなく、人間どうしの相互了解の可能性を押し拡げるためのひとつの「技術」にすぎない。

よく自分も物事を学ぶときに、
その「手段」と「目的」を混同してしまうことがある。


まさにそれを言わんとしていることだろう。


この本は筆者の「体験」を元に、
哲学と照らし合わせている部分がとても面白く、
そして理解しやすく読める。

要するに現代思想にはふたつの大きな軸があることが分かる。ひとつはそれまでの世界の構造認識に新しい認識要素を加えてこれをさらに豊に精密化しようとする契機であり、もうひとつは、この認識の精密化に伴って現れる言葉上の論理矛盾をつきつめようとする契機である。

現代思想とは、
漠然と難しいと思っていただけだが、
実はヨーロッパ哲学からこの2つの軸は
変わらないと言うことを学べた。