【138想】 異端のすすめ / 長谷川慶太郎

異端のすすめ―個性化社会の人材開発と企業戦略 (PHP文庫)
自分が美を感じるマイノリティについて。

「投機」に成功する唯一の方法は、これは昔からいっこうに変わらないのだが、あくまでも「少数派」に徹することである。いつの場合でもそうだが、「多数派」は投機において失敗する危険を背負わされ、「少数派」だけが「投機」で成功の機会をつかめる唯一の方法なのである。

「賭け」に勝つただ一つの方法は、いつの場合でも「少数派」に徹するだけの強い個性を持つことである。

「少数派」はある意味では孤独な存在である。多数の人々が信じ、かつまたその方向に向かって行動している中で、自らの信ずるところに従って、あえて逆らうこと、これは決して楽な仕事ではない。むしろ孤独に耐えるだけの「強い個性」が厳しく求められる。


賭け事や投機などで大切なのは「少数派」である
ということを強く主張している。


自分も「多数派」であることを、
どうもガキの頃から嫌う傾向がある。


みんな同じことを言っている時、
その人が本当に心からそう言っているように聞こえず、
みんなが言っているからそう言っている、
というように聞こえるのである。

「ヤマカン」が生まれてくるもの、実は長年の努力と訓練、膨大な「情報」の収集とその分析が背景になければ、経営戦略をいつも正確な判断の上に立てることなど不可能である。「ヤマカン」はいわゆる直感だけを意味しているのではない。

つまり「ヤマカン」を有効に発揮するには、単に予知能力だけではなく、経営者である限りこの予知能力に基づいて得られた結論を、大胆に勝つ断固として実行する「強い意志」を欠かすことができない。

経営者は「強い意志」を貫徹するだけの、また、自らの判断をいかなる反論に対しても正当化するだけの、しっかりした「予知能力」と豊富な「情報」に支えられたものにしなければならない責任を背負っているのである。また、こうした努力があってこそ「強い意志」を最後まで貫くことも可能になる。

その意味では「ヤマカン」が単なる直感だけでは不十分であって、これを多くの「情報」によって武装し、かつ内容を豊富にすることが、「説得力」を発揮する唯一の手段なのである。


これは田坂さんも言っていた。


直感力を極めるには論理的な思考を極めるという逆説
そして決定するときの強い意志


ますます選択の自由が広がりつつある状態を迎えようとしているなかで、若者のなすべきことはまず第一に「言いたいことを言い、かつ実行すること」であり、同時に自分の主張を支えるだけの実力を自ら身につける努力を進めることであろう。単なる思いつきだけを並べてみても、それを現実の行動に結びつけるだけの能力に欠ければ、彼の主張は単ある「思いつき」にすぎず、あるいは職場内の多数の意見に反対のための反対を唱える「一言居士」に終わるに違いない。これは本来の「個性」を主張するものでないことを十分承知する必要があろう。


確かに自分も、自分の確信していることを
うまく説明できないときがある。


自分がなぜそう思っているのかを、
他人に説明できるだけの努力をしているのか
というと確かに怪しい・・・

人間社会は多種多様な人間で構成されている。 (中略) その中でどのようにして全体としての効率を上げ、かつまた「強い個性の持ち主」を見出しながら彼に適した仕事を与え続けていくか。それは人数の大小にかかわらず、どの企業の経営者にとっても課せられた共通の課題である。
この中で大事なことは、人間自ずからというより、生まれながらにして一定の能力の差、あるいはまた性格の差があるという事実を、初めから認めておくということである。差があると認めれば違った発想をしても、これは当然ということになる。また同じ仕事をさせても、そこに実績の差が出ても、これは仕方がない現象なのである。

これは自分の課題である。


他人の価値観を認める。
いつもこのような文章に目がとまる。


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