豚インフルよりも恐ろしいもの

ゴールデンウィーク
両親がニューヨークに来る予定だったが
直前にてキャンセル。


もちろん原因は「豚インフル」


ニューヨークでもそれなりに騒いでいるが
街へでも誰もマスクなんかしていないし
観光客も相変わらずいっぱいいる。


学校の先生に聞いたら、


「別に大丈夫じゃない? アメリカ人は楽観的だし。あっはははあ!」


と笑っていた。


楽観的すぎるのもどうかと思うが、
日本の騒ぎは異常すぎる。


両親が断念した理由は、
豚インフルに対する恐怖というより
日本に帰ってからのことを心配している。


空港では何時間も待たされるようだし、
もしちょっとでも疑いがあれば隔離され、
最悪のケース10日間も病院で待機させられる。


もちろん両親は二人とも働いているので
そんなことになったら大変だ。


特に父は個人事業主として働いているので
そうなったら致命的なことになる。
そう言っていた。


仮にもし検査で大丈夫だったとしても
ニューヨークに行ってきたということが知られれば、
きっと白い目で見られる。ということも心配していた。


母は会社に対して、どこへ旅行に行くか、
また便名まで報告しなくてはいけないとのことなので
会社の同僚からそう見られるのは明白だ。


ニュースでは、
疑いがあった人が防護服に身をまとった人に
連行されるような写真を見たが、すごい“絵”だった。


結局その人は“シロ”だったそうだが、
ちょっと疑いがあるだけで
まるでこれからテロでも起こすような扱いを受けるとは・・・


両親がキャンセルする理由もわかるような気がする。


今ニューヨークでも数十人が
豚インフルにかかっているようだが
ゴールデンウィークは普通に街に出かけるつもりだし、
それほど過剰な心配はしていない。


もちろんいざというときのために
米や水などを買いだめしたし、
必ず帰ってきたら手洗いうがいをするようにしているが・・・


それにしても
まだ日本では一人も感染者がいないのに
この騒ぎはどうなのだろうか。


豚インフルに対する恐怖というより
マスコミの過剰な反応や、
それに扇動されてしまっている人たちに恐怖を覚える。


前回書いた「ネットの恐怖」に
通ずるものがあるように思う。


簡単に情報が共有できてしまうだけに
その恐怖や驚きなどの感情も共有しやすいのだろうか。


ネットを見ていても、
恐怖を煽っている書き込みばかりだ。


そして恐ろしいのはそれらを読んでいると
だんだん自分の気持ちが恐ろしくなってくるのが恐い。


これからますますメディアリテラシーという
ことが大切になってくると思う。


個人個人のリテラシーを高めるということも大切だと思うが、
それ以上に情報を配信する側がもっときちんとそういうことを
考えていかなければならないのではないだろうか。


これからネットが普及していくにつれ
ますますそれらの問題や
情報に対する価値観やリテラシーをきちんと
考えていかなければならないだろう。



リンクメモ:
パニック - Wikipedia
モラル・パニック - Wikipedia
魔女狩り - Wikipedia
http://taraxacum.hp.infoseek.co.jp/teardrops/pseudo/hysterics.html
うわさとパニック(pdf)


5/4 追記:
激しく同意できる日記をやっと見つける。
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/04/post-dad2.html
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/05/post-054f.html
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/05/post-701e.html
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/05/post-cf7b.html
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2009/05/post-c988.html
魔女狩りというキーワードがあったのも驚いた。
まさに自分もこの騒動からそれを想起したからだ。


このぐらい冷静に判断したいものである。