【40想】 ライ麦畑でつかまえて / J.D.サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
最初はなんだかすごい読みにくて、
登場人物がカタカナで誰が誰だか把握できず、
主人公のネガティブ感に少しイライラしながら
読んでいた。


でも徐々に面白くなってきて、
たぶん主人公の感情が理解でき始めたからだと思うが、
とにかく中盤から最後まであっという間に読んでしまった。

単なる、世間知らずの若者が大人への通過儀礼への葛藤を描いた本ではなく、主人公には何気ない様々なものが、「インチキ」(偽物)に見えたり、逆に取り留めのないことが(良い意味で)「まいった」などという主張を独断的に展開していく姿に、現代的な孤高のヒーローを感じる読者が多い。ヒーローといっても、ケンカは弱く、スポーツもさして出来ず、成績不良な落ちこぼれなのだが、ある一貫した主義・思想・哲学のようなものが主人公の中にあるように感じとれる。
ライ麦畑でつかまえて - Wikipedia

作品の基本的性格を単純化して言えば、子供の夢と大人の現実との衝突ともいえるだろう。いつの世にも、どこの世界にもある不可避的現象だ。純潔を愛する子供の感覚と、社会生活を営むために案出された大人の工夫との対立。子供にとって、夢を阻み、これを圧殺する力が強ければ強いほど、それを粉砕しようとする反撥力は激化してゆくだろう。

[http://www.hakusuisha.co.jp/topics/rye20.php:title]


こう基本的に解釈とされていて
まさにそのような感じだと思うが、
自分が一番感じたのは
世の中の“当たり前”とされていることに対する違和感に
対して主人公が非常に敏感なところである。


自分も学生の頃、その正体不明の空気のようなものに
うっすら気づき始めたが、それはもちろん大人になっても
相変わらずあたりに漂いまくっている。


「本当におまえそう思ってるのか?
本当に“おまえが”そう思ってるのか?」


とそう突っ込みたくなる場面が
今でも多々あるが、まぁ自分も人のことは言えない。


でも改めてそのようなことを点検する
いい機会にもなったし、
やはり自分はそれが好きではない。


それにしても名著と言われるだけあって
いろいろ

村上春樹訳も読んでみたいなぁ。
キャッチャー・イン・ザ・ライ